【エピローグ】灯る場所 

病と共に
リック
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終わりの見えない不安と、日ごとに重くなっていく身体――それでも僕は、歩くことをやめなかった。

振り返ってみれば、あの頃の僕は、

「今日を乗り越えられるか」――そのことばかりを考えていた。

今もなお、身体は完全には戻っていない。

疲労感は容赦なく襲ってくるし、感情が揺れて、自分を責めてしまう日もある。

けれど、ひとつだけ確かなことがある。

「僕には、寄り添ってくれる人がいる」

病気が消えたわけではない。

それでも、誰かが傍にいてくれるという実感は、暗闇の中に灯る、確かな“篝火”になった。

これからも、不安も葛藤も、きっと尽きることはない。

でも僕は、それらと“共に”歩いていける気がしている。

病が教えてくれたこと――

それは、弱さや悲しみを抱えていても、

人は誰かのぬくもりと共に、前へ進んでいけるということだった。

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